50代転職の現状と戦略的活動 ~50代転職が上手くいくために~

仕事・キャリア

こんにちは。ギフト(1971年生まれの53歳)です

今回のトピックは50代の転職です

50代といっても、50歳と59歳では転職難易度は変わりますが、いずれにしても甘くないし現実は厳しいので、まずは、50代転職の現状、そして、転職成功の確率を上げるための考え方、そして作戦について書きたいと思います

転職経験豊富(?)なワタシは、50歳と53歳で転職しました

なお、ワタシの場合は、豊富な転職経験者という側面だけではなく、勤務先での採用責任者(事業部長)として自部署メンバーの採用、また、別の会社では代表取締役社長として全社の最終面接官を務めた経験があります

加えて、転職エージェント(職業紹介責任者)の仕事もしました。そのあたりの知識、経験も活かして、この記事を読んでいる方の助けになりたいと思います

なお、記事はワタシのイチ個人として中立公正の立場でオブラートに包まずに現実を書いてます

50代転職って実際のところできるの?

10年前、20年前と比べると、さらに転職が当たり前の世の中になってきた気がします

ひと昔前は35歳転職限界説なるものが言われていました

ですが、今は40代でも普通に転職してますし、エン・ジャパンの記事によると、50代の転職者数は6年で4倍に増加したとのことです

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2024/36474.html

ただ、実際50代転職者は増えているものの、全体感としては、やはり甘くないし、厳しいでしょうね

● やっぱりキツイ年齢の壁

現実がどうなのかというと、50代は30代、40代と比べて求人数自体が少なくなります

50代でも前半の50~54歳、後半の55歳~59歳というレンジで、年齢帯が上がるほど求人が少なくなります

表向きには、採用にあたり求人票に「年齢制限を設けることはできない」となっています

求人票に年齢を明記できないため50代向けの求人というものはないはずですが、実際は、応募しても年齢で弾かれてしまうことがあるので、年齢のために土俵に乗れない求人がそれなりにあるという言い方のほうがいいかもしれません

特に採用側の企業は社内の年齢構成を気にしています

現実は大体の採用において、この求人(ポジション)には、だいたい〇〇歳くらいまでの人、こっちの求人(ポジション)は〇〇歳~〇〇歳くらいまでの人というふうに、社内基準を設けている場合が多いです

現在は60歳定年、65歳まで再雇用といった取り決めをしている企業が多いですが、現在50何歳かにもよりますが、残りそんなに長くないですからね

同様なスキルや経験をもった人物が他に40代でいれば、そっちの人のほうを採りたくなってしまうでしょう

あとは、年齢が上がると、それなりの経験やスキルもあるでしょう?ということで、採用担当者の見る目が厳しくなったり、期待値があがったりしますので。さらに加えて、年収が高いとなれば、さらに採用基準が上がってしまいます

● もう一つ:デジタル化、DX化や変化への対応

50代転職のデジタル化、DX化への対応

生成AIの普及は最近のことですが、今の若い世代はデジタルネイティブです。社会に出る前からデジタルリテラシーが高いです

現代のビジネス環境は様々なことがデジタルとの関わりが強くなっていますし、もうほとんどの業界がIT業界といってもいいくらいです

年齢と合わせて、そういうのについていけますか?というのも気にします

あと、変化が早すぎるので、昔こうやって実績を上げてきました、っていうのが陳腐化する、通用しなくなる、新しいやり方を身につけないといけなくなるってことに対して、大丈夫ですかね?というのはありますね

こんな人はどうなんだろう?

● 転職回数が多い人

50代だと、社会人経験が30年近く、あるいはそれ以上あるので、若い人ほどは転職回数を気にしなくはなります

5~6回くらいの転職回数で、ちょっと多いなという印象。それ以上だとだいぶ多いなという印象です

巷では、転職回数が多いと不利と言われているし、転職回数が多い人を敬遠する企業があることも事実ですが、じゃあ、転職回数が多いとダメなのかというと、そうでもないです

転職の背景とか理由とか、転職に一貫性があるとか。要は、採用担当者が納得すれば(あるいは書類選考上で、いいんじゃない?となれば)良いわけです

本質的には、応募者の資質や知識、経験というものが求人企業の仕事に貢献できると採用担当者が判断し、気に入ってもらえることが重要です

● 初めて転職しようとする人

転職回数が多すぎる人を敬遠する採用担当者がいることは事実ですが、一方で、50代になって転職したことないって人は、かなりマイナスなんですよ

長く勤めていた会社に染まりすぎてるんじゃないの?とか、違う環境への適応って大丈夫かい?とか、採用担当者は考えてしまいます

転職が初めての人は、とにかくこれまでの仕事を棚卸して、自分の強みとなるものを明らかにしましょう

業界、職種、社風、企業規模、働き方など、自分が活きるのがどういうものかをよく考え、それを職務経歴書に落とせるようにすることが重要です

転職はタイミングにもよりますし、採用担当者が誰なのかによって、受かったり落ちたりもあります社長が面接したら通る場合も、人事担当者だったらダメだったとか、現場のマネジャーだったらまだ違う結果だったり

結局、面接官が受けとる印象ってものが左右しますからね、まさに縁があるかどうか、といえます

そうはいっても、対策をせずにやみくもに活動するのはよくないです

誰しも企業が求める強みというのが必ずありますので、自分を理解し、戦略的に活動することで、転職成功の確率を高められるのもまた事実です

自分の強みって分かりますか?

これ、案外分からないものです。まして、これを言語化するのって、結構大変

ワタシの場合、何回も転職しているので、やってきた仕事を棚卸しして、職務経歴書をアップデートして、とやってきましたが、それでも強みが不十分でした

あるとき、転職マーケットに詳しい人に、私の職務経歴書を見てもらったところ、

自分では充分に考えて書いたつもりでしたが、強みが伝わりにくいと言われました

営業一筋とか人事一筋のような経験だとスペシャリストとして伝えやすいかもしれませんが、

ワタシの場合、法人営業、マーケティング、事業開発、企業経営と広くやってきたジェネラリストでした

そのため、スペシャリストというより、むしろジェネラリストとしての経歴が活きるように、職務要約はこうしたほうがいい、とか、エピソードを交えた強みを最初に持ってきた方がいいなどの客観的なアドバイスをいただきました

仕事の棚卸や自己分析をかなりやってきた(と思う)ワタシでも(かつ、転職エージェントや企業の採用責任者もやってきたんですけどね、、)、自分の強みを職務経歴書にきちんと書くということには改善の余地がありました

自分を客観視するのってなかなか大変なので、第三者の目を入れることは重要だと思います

初めて転職活動する人はもちろん、転職経験がありすでに職務経歴書を作っている人も、今一度強みを整理し、言語化できるように努めていただくのがよいです

履歴書の留意点

履歴書より職務経歴書のほうがずっと重要ですが、最低限、履歴書で注意しておくことがあります

写真:写真館とかできちんとした写真を撮り、それを使いましょう。スマホ自撮り写真とかはアウトだと思ってください

記載の誤り、誤字:生年月日と年齢が合っていないとか、漢字の変換ミスがあるとか、マイナス要素になりますので注意しましょう

資格欄:資格コレクターのようなたくさんの資格を持っている方は、応募する仕事に関連した資格に絞って記載しましょう。求人に無関係な資格を羅列することはむしろマイナスです。

履歴詐称はもちろんNGです。後から分かったら解雇される可能性もありますので絶対やめましょう。

数ヵ月で辞めてしまった経歴も載せないといけませんし(ただし、社会保険に加入していないアルバイト勤務などは載せなくてOK)、役職も見栄を張って就いてもいないより上位の職位(肩書)を書いたりするのもNG

企業によっては、リファレンスチェックやバックグラウンドチェックをする場合があり、そういうときにバレてしまいます

履歴書はこのくらいです。より重要なのは職務経歴書なので

職務経歴書のポイント

職務経歴書で、その人のすべてが分かるかというと、そんなことはないですが、採用選考の最初の関門が書類選考なので、これを突破しないと始まりません

年齢を重ねるほど、職務経歴書の重要度が増すと考えたほうがいいでしょうね

50代の応募者にとっては、しっかりと準備をしないと内定獲得は簡単ではありません

さて、重要であることは間違いない職務経歴書ですが、採用担当者に読まれないことも多々あるということも分かっておく必要があります

何でかというと、採用担当者も忙しいので、たくさんに応募者の書類を丁寧に読む時間がないからです

あるいは、時間があったとしても、職務経歴書の最初の数行で読む価値無し、と判断されたらそれでオシマイです

そういう観点から、まず重要なことは、職務経歴書の冒頭です。

ネットで検索すると、職務経歴書のひな形がたくさん見つかります。職種別や業種別など便利なものがありますので、そのフォーマットを活用しましょう。

で、問題はその書き方です。

採用担当者はまず、上から目を通すわけですから、冒頭部分が最も重要です

職務経歴書の書き方

※リクルートエージェントのホームページからダウンロードした職務経歴書テンプレートの例

ほとんどのひな形は、職務要約が一番上にあります。今まで取り組んできた職歴のsummaryですね

ワタシもそれで良いと思います

このひな形の例では2行で簡略的に書かれています

他のテンプレートもだいたい2~3行で業務要約が書かれていますが、50代の場合、それなりに経験があるので5~6行程度、あるいは箇条書き3~4点くらいで、それぞれを3行程度でしっかり書き込むくらいのほうがよいです

ポイントは、その要約に数字(伝わりやすい客観的視点)を盛り込むこと、そして、求人の応募要件や歓迎要件に合わせてスキル、経験がマッチするように書くことです

そうすると、応募する企業ごとに書き換えるんですか?ということになりますが、ハイ、そのほうがいいし、そうすべきです

応募企業ごとに全内容を書き換える必要まではないですが、冒頭部分は求人にあった内容に変えたほうが書類選考を通過しやすくなりますので、そうすることをおススメします

あと、もう一つは、冒頭に「強みと実績」を書く方法です。それにエピソードを交えるのもよいです

「私はこれこれこういう職務経験があり、これこれの課題を乗り越えて、こういう実績を挙げました。特に、強みとして習得したXXXXスキルは他のプロジェクトにも応用可能で、貴社の目標達成に貢献できると考えています」。みたいな感じが一例。

で、その次に職務要約を書きます

より重要な採用者目線

端的に言って、そのポジションの仕事を十分やってくれる人かどうか、です

スキル、経験がマッチしているか、仕事で成果を出すために企業カルチャーに合うかどうか

ちゃんと貢献してくれるかどうか

福利厚生とか、休み、とか、残業の有無とか、リモートワークができるか、とか応募者にとっては関心がありますが、採用企業にとっては主たるものではありません

50代になってそのようなことが関心の上位に来る人は多くないかもしれませんが(リモートワーク出来るかは結構多いかも?)、やはり内定を遠ざけてしまいます

募集人員が1人の場合、他の候補者との比較といった側面があるので、必ずしも目指した企業に採用されるかどうかは分かりません。 ですが、内定獲得の可能性を高めるためには、採用担当者の立場で考えてみるのが大事です。

企業が求めていることに対して、自分が貢献できるということ、それはスキルや経験、業界や職種に対する知識ということがメインになり、それをきちんと伝える、ってことですね

あとは、面接官に好かれるか、気に入られるかどうか

結局、人が面接するわけなので(将来は汎用AIが面接する時代になるかもしれませんが)

転職以外の選択肢も

ここまで、転職について書いてきましたが、転職以外も考えたほうがよいんじゃないですか?と思うんですね

他の選択肢としては、主に

  • 転職しないで、今の会社に残る
  • 今の会社に残りつつ副業を始めて二刀流でいく
  • フリーランスになる

なのかなと思います

まず、転職しないで今の会社に残る、ですが、今正社員で、会社が潰れるとか、あまりに耐えがたい状況に置かれているといった、職場を変わる以外に選択肢がない、という状況ではないなら、今の会社に残るのも手なのでは、とも思うのです

というのは、転職したらしたで、結構大変ですよ

イチから人間関係を築かないといけないし、仕事の進め方もおそらく違うから、それに慣れないといけないし、イヤな奴がいるかもしれないし、成果も上げないといけないし。状況によっては、転職しないほうがマシだった、という状況になってまたすぐに転職活動するハメになるかもしれないし

今、正社員であるなら、何だかんだ言っても守られていて、恵まれている部分は多いです

よっぽど何かやらかさない限り解雇されませんし、給料ダウンだって、本来、法的にはなかなか難しいのです。従業員にとって不利益変更になりますから。労働契約法で、給与ダウンは労働者の合意がないとできないですって定められていますから

まぁ、どこまでごねるかっていう問題はありますけど、要はいろいろと守られているってことです

それに長く勤めていれば勝手が分かっていることも多々あるわけですから

副業を始めるというのも、考えていい選択肢だと思います

お金をかけずに始められる副業はいっぱいあります。それに50代なら、自分の経験やスキルを棚卸したら、きっとビジネスになるネタは見つかるはずです

安定した収入のあるうちに、副業を軌道に乗せ、近い将来、副業を本業に移行するくらいの感じでやってもよいかもしれません

どうせそう遠くないうちに、定年、再雇用になるんですから

フリーランスは、家計の状況などを見て、でしょうね。

最初から十分な仕事を獲得するのは難しいので、いきなり会社辞めちゃうのは避けた方がいいでしょうね

今回はおしまいです

※転職エージェントとの付き合い方の記事はこちら

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