仕事における人間関係。悩ましいものです
「上司とうまくいかない」、「同僚とギクシャクする」、最近だと「部下がすぐハラスメントだといって騒ぐ」といったこともあるかもしれません
ワタシの場合― 同僚や部下との関係性は常に良好で、とりわけ自分のチームや部門のチームビルディングや個々人との関係性は良いのですが、目上の人(ここ10年くらいの上司は社長か投資ファンドから役員として着任した人)とはなかなかうまくいきません
どこの職場に行っても程度の差こそあれ、人間関係は悩みの種になりがちですが、
このような悩みを解決するヒントとして、アドラー心理学を基にしたベストセラー『嫌われる勇気』が参考になります
本書には、「他人の目を気にせず、自分の人生を生きるための考え方」が書かれていますが、これは職場の人間関係にも応用できます
本記事では、『嫌われる勇気』のエッセンスを踏まえながら、仕事の人間関係を改善し、キャリア形成にも活かせる考え方を紹介します
他者の評価を気にしすぎない
職場では、上司や同僚、部下からの評価が気になり、「嫌われたくない」「好かれたい」と考えてしまうことが多いのではないでしょうか

ワタシも口には出さないものの、ダメなヤツと思われたくないがために、他者の評価を気にしてしまうところがあります
しかし、アドラー心理学では「他者の課題と自分の課題を分ける」ことを推奨しています
例えば、「上司にどう思われるか」は上司の課題であり、自分ではコントロールできません
自分にできることは、仕事に真摯に取り組み、自分の役割を果たすことのみです
自分でコントロールできないことに悩んだり、他者の反応を過度に気にしすぎてしまったりすると、本来の仕事に集中できず、ストレスを抱える原因になります
「承認欲求」を手放す
多くの人が「周りに認められたい」という欲求を持っています
現代はSNSの時代ですからね
他人から「いいね」をもらいたいというのも承認欲求でしょう
しかし、承認を求めすぎると、自分の意見を抑えたり、不必要に媚びたりしてしまいます
その結果、ストレスが溜まり、仕事に対するモチベーションが下がることもあります
アドラー心理学では、「自分の価値は他者の評価で決まるものではない」と考えます
たとえ周りに認められなくても、自分の信じる道を進むことが大切だと説いています
これはキャリア形成にも重要で、「周りにどう思われるか」ではなく、「自分がどうありたいか」を軸に行動することで、より自分らしいキャリアを築くことができます
「課題の分離」を意識する
人間関係がこじれる原因のひとつに、「相手を変えようとすること」があります
例えば、「上司がもっと物分かりがよければ」とか、「部下がもっと率先して動いてくれれば」などと思うことがあるかもしれません
しかし、他人を変えることはできません。変えられるのは自分の行動だけです
「課題の分離」という考え方を持つことで、「相手の態度は相手の問題であり、自分の責任ではない」と割り切ることができます
これにより、不要なストレスを減らし、建設的な関係を築くことが可能になります
「貢献感」を持つ
職場での人間関係を良好にするには、「自分は役に立っている、貢献できている」という感覚が重要です
アドラー心理学では、人は「誰かの役に立っている」と実感することで幸福を感じるとされています
自分の仕事がチームや会社にどう貢献しているかを考えることで、働くことへの意義を見出しやすくなります
たとえば、「この仕事がチームの成果につながる」「クライアントの役に立っている」「上司や同僚の助けになっている」といった具合に意識することで、職場での人間関係も前向きなものになります
「勇気」を持つことがキャリアにつながる

職場での人間関係において、嫌われることを恐れて言いたいことが言えなかったり、自分を押し殺したりすることは、結果的にキャリアの成長を妨げることになってしまいます
ときには「嫌われる勇気」を持ち、自分の意見をしっかり伝えることも大切です
例えば、上司に対して意見を述べたり、同僚と意見が食い違ったときに冷静に話し合うことで、自分の価値を正しく伝えることができます
きちんと意見を言って怒り出したり、へそを曲げたりする上司は、「度量が狭いヤツ」くらいに思って、適度に距離を置くくらいがいいのではないでしょうか
職場や、あるいは社外かもしれませんが、ちゃんと評価してくれる人は必ずいるものです
適切に自己主張できる人は、リーダーシップを発揮しやすく、よい仕事の機会にもつながると思います
まとめ
『嫌われる勇気』の考え方を活かすことで、職場の人間関係を改善し、ストレスを減らすことができます
特に、
- 他者の評価を気にしすぎない
- 承認欲求を手放す
- 課題の分離を意識する
- 貢献感を持つ
- 勇気を持ち自己主張する
といった考え方は、キャリア形成にも役立ちます
「職場の人間関係がうまくいかない」「もっと自由に働きたい」と感じる方は、ぜひ『嫌われる勇気』のエッセンスを日々の仕事に取り入れてみるとよいと思います