貸借対照表(B/S)の読み方のコツ 初学者でもこれだけ分かれば大丈夫 

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こんにちは、ギフトです

決算書の読み方のまとめ記事で、決算書が読めるとは、決算書をざっと見て、時間をかけずにしかるべきメッセージを引き出せることだと書きました

今回は、主な3つの決算書の1つとして、貸借対照表(B/S)について解説します

貸借対照表の構造を理解する

貸借対照表とは一定時点(通常は期末時点)での財務状態(ストック)を表示したものです

まず、貸借対照表の基本構造を見てみましょう

貸借対照表の基本構造

基本的に、こんなふうになっています

左側の資産と右側の負債+株主資本(純資産)が同じ金額になる(=バランスする)のでバランスシート(略してB/S)といいます

簿記を勉強していると、借方とか貸方とかの用語が出てきますが、覚える必要ないです

実際のとある企業の貸借対照表を見てみましょう

実際の貸借対照表

この会社は、3月31日が期末(3月期決算)ということで、2016年と2017年の一定時点(3月31日)の財政状態が表されています

1.資産の部

まずは左側から見ていきます

左側は資産で、これは資本の運用形態を表します

資産は大きく、流動資産と固定資産に分けられます

1-1. 流動資産

資産の部の上のほうに記載されるものです

流動資産とは、企業の正常な営業サイクル、または1年間のいずれか長い方の期間中に、現金化あるいは消耗することが予想される資産のことをいいます

どういうものが該当するかっていうと、

  • 現金及び預金
  • 売掛金
  • 受取手形
  • 有価証券
  • 棚卸資産(在庫のこと)

などが主なものです

これらがどのくらいの金額としてあるのかが記載されます

1-2. 固定資産

資産の部で、流動資産の次に記載されるものです

1年を超えて保有・使用されると思われる資産のことをさします。

固定資産は、3つに区分されます

● 有形固定資産

これは文字どおり形あるもので、

  • 土地
  • 建物
  • 機械・装置
  • 工具・器具
  • 備品
  • 車両運搬具
  • 船舶

などが該当します

● 無形固定資産

これも文字どおり、形のないもので

  • 特許権
  • 意匠権
  • 著作権
  • 商標権
  • ライセンス
  • ソフトウェア

などが該当します

● 投資その他の資産

これは有形、無形固定資産以外のもので、

  • 投資有価証券
  • 関係会社株式
  • 出資金
  • 長期貸付金

などが該当します

それぞれ、これらがどのくらいの金額としてあるのかが記載されます

2.負債の部

続いて右側に移ります

右側の負債と株主資本は、資本の調達源泉を表します

資本の調達源泉(負債と株主資本)

2-1. 流動負債

これは、負債の部の上のほうに記載されます。

流動負債は、1年以内に返済義務のある債務を指します

これにはどんなものがあるかというと、

  • 買掛金
  • 支払手形
  • 短期借入金
  • 1年内返済予定の長期借入金
  • 1年内償還予定の社債
  • 未払費用
  • 未払法人税等

こんなところが主なものです

2-2. 固定負債

負債の部で流動負債の下に記載されます

固定負債とは、返済期限の到来が1年よりも先になる債務のことを指します

これにはどんなものがあるかというと、

  • 長期借入金
  • 社債
  • 長期預り金
  • 預り保証金
  • 長期未払金
  • 特別修繕準備金
  • 退職給付引当金

などがあります

3.株主資本(純資産)

資本の調達源泉(負債、株主資本)

株主からの出資金や事業運営で得た利益累計額など、返済の必要がないものがここに記載されます

これにはどんなものがあるかというと、

  • 資本金
  • 資本剰余金
  • 利益剰余金
  • 自己株式

などがあります

実際の企業の貸借対照表

さて、貸借対照表に出ているいくつかの項目(勘定科目)で、分かっておいたほうがよいものをいくつか取り上げます

● 有形固定資産:減価償却累計額

減価償却とはどういうことでしょうか?

減価償却とは、長期間にわたって使用される固定資産の取得に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きのことをいいます

たとえば、300万円の社用車を買ったとします。車は、長期間使っていくうちに徐々に価値が減り、最後には資産としての価値がなくなります

そこで、この時、「今年は車を購入したので、300万円かかりました」と、300万円すべてをその年の費用とするのではなく、「今年は50万、翌年に50万、翌々年に50万円…」というように、300万円を何年かに分けて費用にするというルールがあり、これが減価償却です。

ちなみに、普通車の耐用年数は6年と定められているので、50万円を6年間にわたって計上します

その他の固定資産についても耐用年数が定められているので、基本的に、その期間に亘って費用を計上します

「減価償却累計額」は、毎年計上していた減価償却費の合計金額が計上されます

無形固定資産:のれん

企業の信用力やブランド力といった目に見えない資産を表す言葉で、「超過収益力」とも呼ばれます

● 引当金

将来発生する可能性が高い費用や損失に備えて、あらかじめ当期の費用として準備しておく見積もり金額のことをいいます

・ 流動資産:貸倒(かしだおれ)引当金

売掛金や貸付金などの債権が回収不能になる可能性に備えて計上する引当金をいいます

・ 固定負債:退職給付引当金

従業員が退職した際に支払われる退職金などの給付に備えて計上する引当金のことをいいます

貸借対照表の構造についてはここまでです

この内容が理解できればOKです

今回はおしまいです

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